i
シネマカルチャーCinemaCulture NEWS







■NEWS!
マイケル・ムーア監督、入魂の最新作『華氏119』 11月2日(金)緊急公開!!
標的はもちろん現アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ――でもそれだけじゃない!




■米国が抱える恥部や暗部や政治問題をユーモアを交えながら、しかし鋭くえぐり出してきたドキュメンタリー作家のマイケル・ムーア監督。今作のいちばんの標的はもちろんアメリカ合衆国現大統領ドナルド・トランプ。だがそれだけではない。対抗馬である民主党の不正や保身、そして何よりオバマ前大統領の信じられない「裏切り行為」をカメラがとらえその根の深さをあぶり出す。
いきなり映し出されるのはスキャンダラスな映像だ。次々と女性の腰に手を回すトランプ、そのお相手は愛娘のイヴァンカ。多数の女性からセクハラを訴えられてもものともしないトランプは、テレビショーのような番組に娘と出演し「イヴァンカは自分のタイプ。自分の娘でなかったら付き合ってほしいほど」とのたまう。
■それにしてもトランプの悪行やいい加減さはいまに始まったことではないにして、驚かされるのは前大統領の不誠実さを取り上げた映像だ。舞台は水道水の鉛汚染問題に揺れるムーア監督の生まれ故郷ミシガン州フリント。自らの利益のみを優先して、一向に対策を講じない富豪上がりのスナイダー知事に猛反発するフリント市民。そこにさっそうと当時のバラク・オバマ大統領が乗り込み市民を喜ばせる。しかしあろうことか彼は、まるで安全宣言をするかのようにわざわざ水道水をコップに入れて飲むというパフォーマンスをやってみせるのだ。終わったのちにオバマはスナイダー知事とともに仲良くヘリで去ってゆく。しかもそれだけでは終わらない。フリントの町の廃墟がある日空爆され、町中に戦慄が走るが爆弾を落としたのは米政府で、実弾の演習だったのだ。スナイダーとオバマとのあいだになんらかの密約があったと考えてもおかしくはない。そのほか全米の高校生たちが銃規制に立ち上がる様子など、揺れ続ける米国社会のいまをムーア監督は赤裸々に描き出してゆく。タイトル『華氏119』はトランプが大統領選の勝利宣言をした2016年11月9日からきているという。
                                                (2018年10月22日 記 Text by NorikoYamashita) 

                          FAHRENHEIT 11/9 華氏119(ドキュメンタリー)
■2018年11月2日(金)からTOHOシネマズシャンテほかで公開  監督:マイケル・ムーア 出演:ドナルド・トランプ
2018年米国(126分) 配給:ギャガ 原題:FAHRENHEIT 11/9  ©2018 Midwestern Films LLC 2018  公式サイト:https://gaga.ne.jp/kashi119/

■マイケル・ムーア監督 MICHAEL MOORE
1954年4月23日、米ミシガン州フリント生まれ。父と祖父は組み立て工、母は秘書、叔父は自動車工労働組合創立者のひとりという家庭環境で育つ。10代の頃から政治活動に目覚め、高校を卒業した年には校長と副校長の解雇を求め教育委員会選挙に出馬、当選して辞職に追いやった。89年、ゼネラル・モーターズによる大量解雇に揺れるフリントと当時のGM経営者ロジャー・B・スミスにアポなし突撃取材を敢行したドキュメンタリー映画『ロジャー&ミー』を製作。98年TV番組「マイケル・ムーアの恐るべき真実 アホでマヌケなアメリカ白人」が話題に。2002年、銃社会アメリカの抱える問題点をえぐった『ボウリング・フォー・コロンバイン』を発表、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞、カンヌ映画祭特別賞など数々の賞を受賞。04年に9月11日同時多発テロ以降のブッシュ政権の実態に迫る『華氏911』を発表、カンヌ映画祭最高賞パルムドールを受賞。その後、米医療保障制度に迫る『シッコ』(07)、『キャピタリズム マネーは踊る』(09)、『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』(15)と問題作を連発している。






  映画ファンのための映画サイト
   シネマカルチャーdigital

Powerd by Contrescarpe(1998-2006 Cinema-joho.com/2017- CinemaCulture)
Copyright(c)Contrescarpe/CinemaCulture.All rights
reserved.
info@cinemaculture.tokyo